ロマンサ・デ・アモール - 中南米ピアノ名曲コレクション Ⅰ / 下山静香

下山静香が贈る「中南米ピアノ名曲コレクション」 第1弾は、メキシコとキューバの代表的作曲家によるロマンティックな作品集。 華麗さと切なさが交錯するピアノの世界、ギタリスト竹内永和とのコラボ2曲も収録。

Contents

Manuel M. Ponce / マヌエル・ポンセ (1882-1948)
01 Scherzino mexicano / スケルツィーノ・メヒカーノ
02 Romanza de amor / 愛のロマンセ
03 Intermezzo No.1 / 間奏曲 第1番
04 La pajarera / 小鳥売りの娘(ギター&ピアノ版 編曲:竹内永和)
Manuel Saumell / マヌエル・サウメル (1818-70)
05 Recuerdos tristes / 悲しき思い出
06 Luisiana / ルイジアナ
Ignacio Cervantes / イグナシオ・セルバンテス (1847-1905)
07 Serenata cubana / セレナータ・クバーナ
08 Homenaje / オマージュ
09 Ilusiones perdidas / 失われた幻想
10 Adiós a Cuba / さらばキューバよ
11 Rapelle-toi / ラペル・トワ(憶えていて)
Manuel M. Ponce / マヌエル・ポンセ
12 Estrellita / エストレジータ
Ernesto Lecuona / エルネスト・レクオーナ (1896-1963)
13 Preludio en la noch / 夜のプレリュード
14 Mazurka en glissando / マズルカ・エン・グリッサンド
15 Siboney / シボネイ (ギター&ピアノ版 編曲:竹内永和)
Manuel M. Ponce / マヌエル・ポンセ
16 Balada mexicana / バラーダ・メヒカーナ

SHIZUKA SHIMOYAMA, piano / 下山静香(ピアノ)
*04, 15 NORIYASU TAKEUCHI, guitar / 竹内永和(ギター)

ライナーノーツ

中南米ピアノ名曲コレクション〜極彩色のリズム

 “中南米のピアノ音楽を、新しい切り口で紹介したい”という、シンプルな動機でスタートした、このシリーズ。

 サッカーや野球等のスポーツを通じて、中南米への関心が高まりを見せている中、音楽の世界も、リズムの宝庫と呼ばれるキューバ音楽を始め、リオ五輪で、あらためて注目を浴びたブラジル音楽、不動の人気を誇るアルゼンチンタンゴ、ジャマイカのレゲエ等々、その豊かなヴァリエーションと独自性への評価は、益々上がり続け、高い人気を誇っている。

 …とは言え、それはポピュラー音楽の世界のお話では?と考えていらっしゃる方には、近年のベネズエラの、シモン・ボリバル・ユースオーケストラの目覚ましい活躍や、アルゲリッチ、バレンボイムといった巨匠が、自国の作品を積極的にプログラムに取り入れている事等を思い出して頂ければ、クラシックの世界にも、新たな流れを起こす動きが高まり、実を結んでいる事をご理解いただけるであろう。

 さて、肝心の中南米ピアノ音楽の認知度は、というと、日本においては、やっとスペインのアルベニスやグラナドス、ファリャ等への関心が芽生えて来た程度で、中南米のピアノ作品に関心をお持ちの方は、まだまだ少ないというのが現状である。

 今回、長年の盟友であるピアニスト下山静香を迎えてスタートしたこのシリーズでは、先ずは、中南米ピアノ曲の名作を広く知っていただこうという事で、有名曲に加え、独自の世界観を持った隠れた名作を多数収録していく予定である。

 そして、更に、このシリーズには、或る仕掛けを施してある。すなわち、ピアノと同じく、和音の出せる独奏楽器であり、中南米音楽と深い関わりを持つギターとのデュオ曲を毎回アレンジして、ピアノ独奏の合間に差し挟んで行こう、という試みである。

 勿論、中南米の作品の中には、ピアノ&ギターの為に書かれたオリジナル曲も存在するが、敢えてそこには拘らず、和音楽器同士のアンサンブルとして面白さが出せるものなら、何にでもチャレンジして行こうという姿勢で、選曲を考えている。

 この「中南米ピアノ名曲コレクション」の、記念すべき第1作目となった本アルバムには、メキシコ、カリブのロマンティックな名品、そして、ダイナミックなピアニズムに溢れた傑作を収録している。  名曲〈エストレジータ〉で知られるメキシコのポンセ、“キューバのガーシュウィン”と呼ばれ、見事な技巧とリズムの融合を成し遂げたレクオーナ等々、中米、カリブの、充実したピアノレパートリーを是非お楽しみいただきたい。

 今後は、ブラジル、アルゼンチンはもとより、中南米各国の代表的なピアノ曲、知られざる名作に取り組んでいく予定である。 このシリーズを通じて、未知の中南米クラシック音楽の世界が身近な存在となり、各国の文化の違い、音楽様式やセンスの違いを感じ取って頂ければ幸いである。

竹内永和

下山静香 プロフィール

桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業。同室内楽研究科修了。

 99年、文化庁派遣芸術家在外研修員としてマドリードへ。故R.M.クチャルスキ、M.サバレタのもとで研鑽。ロドリーゴ生誕100年には、マドリード、ベルギーなどでの記念コンサートに出演。その後バルセロナのマーシャル音楽院にて、C.ガリガ、故C・ブラーボ、故A.デ・ラローチャに師事。マドリード、アランフェス、バルセロナほかに招かれリサイタルを行う。

 帰国後は、バロックから現代まで幅広いレパートリーで演奏活動を行い、オール・スペインプログラムでのリサイタルも数多く開催する。また、スペイン・ラテンアメリカ作品の室内楽、ピアノライブ「ラテンアメリカに魅せられて」、美術方面の造詣も生かした<音楽×美術>などの斬新なコンサートシリーズを継続し、これまでにない切り口が話題となっている。

 ソロのほか、室内楽・二重奏も重要な活動軸とし、これまでにウィーン・ヴィルトゥオーゾ、チェコフィルハーモニー六重奏団、S.フッソング(acco)、M.ホッセン(vl)、R.シメオ(trp)など数々の海外アーティストと共演。

録音現場での信頼も厚く、長年にわたりNHKスペシャルやドラマ、美術展などにおいてピアノ演奏を担当。NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」、NHK-BS「ぴあのピア」、NHK・Eテレ「ららら♪クラシック」、TBS-BS「本と出会う」、NHK・FM、フランス国営放送ラジオなどに出演している。

 現在、各地で精力的な演奏活動を展開するかたわら、翻訳・執筆・朗読とそのフィールドは進化し続けている。また、桐朋学園大学音楽学部および東京大学教養学部にて、スペイン、ラテンアメリカ音楽の講義を担当。2012年より、NPO法人JML音楽研究所にて「スペイン音楽演奏講座」を開講。2015年より「下山静香と行くスペイン 音楽と美術の旅」を実施(主催:郵船トラベル)。これまで、京都外国語大学、東京大学、東京藝術大学、慶應義塾大学、上智大学に招かれ、特別講義やレクチャーコンサートを行っている。

SHIZUKA SHIMOYAMA  pianist

Graduated from Toho Gakuen School of Music; next finished the post graduate course of the Chamber music. After she participated in the Master Classes and Music Festivals in Europe, she went to Spain as an overseas fellow of art dispatched by the Japan Agency for Cultural Affairs. In Madrid and Barcelona she investigated many important Spanish composers and obtained their works as repertoire. She was invited to play in Madrid, Barcelona, Aranjuez, Liège etc.

Chamber music is also one of her important activities; she has played with Czech Trio, Wien Virtuoso, Czech Philharmonic Sextet, Stefan Hussong, Mario Hossen, Rubén Simeó etc.

She released 7 discs and all of them obtained very good criticism, especially mentioning the sense of rhythm and quality of the sound, melting balance of intelligence and emotion. Now she presides some unique concerts like “Iberian Chamber Music Series”, introducing chamber music of Spain and Latin America.

Role

Recording Dates: June 8 - 9, September 1, 2016 at Kanagawa Art Hall
Producer: Noriyasu Takeuchi, Nobutoshi Sone
Director: Yoko Sone
Recording & Mastaring Engineer: Mikito Takeyari (a.k.a Junichiro Yamasaki)
Cover Art Design: Mikito Takeyari (a.k.a Junichiro Yamasaki)
Piano Technician: Atsushi Kanbe
Hair-Make-Up & Photo: ASUMI(STUDIO KUMU)

LISTEN & DOWNLOAD / リスニングとダウンロード

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